2020年秋アニメに一言(5、6話)(11/29)

『魔女の旅々』5、6話

5話。前、前前話とは打って変わり、花澤香菜師匠が出るといきなりかわいい性格になるイレイナちゃん。そして成長を感じるという。常にそうあって欲しいですが……。

6話。ボーイッシュな悪童魔女が再び登場。その時の回ではイレイナちゃんは悪童を許す、優しすぎるキャラになってたのですが、今回も悪童の重い愛を突っぱねる、面白い掛け合いができててまともなキャラになってます。

しかし、嘘をつけない国の王様に対して、あちらが同意してないのにもかかわらず力技で魔法を解いてしまうのは乱暴です。細かいところですが、こういうところに作品の性格が出てしまうものです。

とはいえ、過去の登場人物が出てくると、イレイナちゃんがそれ用のキャラ(自我が抑えられる)になってくれるので、見栄えがよくなります(OPや絵の可憐さと本編がちゃんと噛み合います)

 

池袋ウエストゲートパーク』5話、6話

5話。中国の技能実習生の問題をアニメで見ることになるとは思いませんでした。いい話でしたね。どちらかといえば(というより圧倒的に)オタクは中国「人」差別が激しいので、畑違いの小説(ライトノベルではなく)だからこそこういうストーリーが生まれたのでしょう。

 

『アサルトリリィ』5、6話

前話は雑に見えましたが、5話は日常回で、なおかつユユがリリに誕生日プレゼントを送るそのデレデレぶりが輪をかけて、一番いい回になっていました。闘わないほうが面白いという。

早めにこの二人のデレデレぶりを見せたかったと考えれば、ユユの尚早なキャラ変も納得できます(そうか?)

何気に一番作画がいいのもこのアニメ。シャフトですからね。

6話。ユユはほむら型メンヘラですが、彼女はミスズの「妹」からリリの「姉」に立場を変えてるので、まどマギの円環(繰り返し)とは事情が違ってます。前へ進む、克服の物語です。

何だかんだ、アサルトリリィは今期アニメの中でも上位の水準ですね。

 

『おちこぼれフルーツタルト』5、6話

5話。いきなりトイレシーン。開けっぴろげである。寮生活にプライバシーは存在しないという警告的メッセージ。この手のアニメ(きらら系)でトイレシーンは逆に珍しい。好悪をいえば、私は好きではない。

“浜弓場:今アイドル物は様々な媒体でありますが、「きらら」という主に日常をメインに描く媒体ではあまりありませんでしたし、自分でもそういうのが見たいなぁと思ったので。

スイマセン半分嘘です、企画考えてる時にアイ〇ツとプリ〇ラに嵌ったんです。結果的に思ってたのと全然違う物が出来てしまいましたが!”

https://www.google.co.jp/amp/s/www.animatetimes.com/news/details.php%3fid=1601871237&pagemode=amp より

 

アニメイトのインタビューを読むと、作者がこういう受け答えをしています。アイドルものはきららにはあまりなかったのでという理由ですが、私が今まで述べてきたように、「“大きな”夢に向かって“頑張る”ヒロインたちの物語」がそもそも百合日常ものにとって非正統的な物語のように思います。きららフォワードでは、はるかなレシーブや球詠、ハナヤマタなど私のいう百合日常ものとは違った作品が多いのですが、おちフルはキャラットですのでその点でも違和感があります。百合日常もの、と大きくいってしまうのはミスリードかもしれませんが、百合日常ものの主流はそうあって欲しい(素朴な生の肯定であってほしい)という趣旨です。

おちフルは各ヒロインがそれぞれコンプレックスを抱えてる点(胸の大きさ、太ももの大きさ、体の大きさ、歌が下手、そもそもおちこぼれな点とか)があって、そこはいいのですけど。作品設定そのものの話です。

このインタビューでは東小金井を選んだ理由として、お世辞なのか「feel.」さんが好きだからと語っています。feel.の本社は小金井市なので、feel.がアニメ化したのは偶然ではないかと思いますが(どうだろう)、凄いですね。その連関が分からなかったのは自分の知識不足でした。

 

安達としまむら』5、6話

5話。安達が太ももを手でいじってたり、視線だったり、レイヤーを重ねたり、独白だけに頼らない映像の細やかさが、もはや二人の息遣いそのものになっています。

6話。もう安達の悩みが同性愛当事者のそれで、社会派アニメに見えてきました。安達の前のめりな態度が、可愛らしいのだけど切なくもある。

 

トニカクカワイイ』5、6話

5話。ムカデ人間月ノ美兎さんの名前が出てきてびっくり。

https://natalie.mu/comic/gallery/news/324331/1127293?_gl=1*36pj87*_ga*dk53c2x6SGZLUndYYUh5S3B6bndIQTV0YkdfVExOWmV0dHM3elJ3VDEwNEhIdDEwUVJMYnJmTjJ4R0lpWTQ1SQ..

CMのナレーションもしていました。ガッツリコラボだ。

鬼頭明里さんって、最近よく見ると思ってましたが、今期では『安達としまむら』の安達の声も担当してます。どちらもかわいいキャラ。声的には大人っぽさを感じるのですが。

6話。自分も東京まで深夜バスで行ったことがありますが、眠れなくてつらいものです。新婚旅行なのに新幹線ではなく深夜バスを選ぶところがこの作品のよさです。ただでさえ賢い設定の主人公なので、金銭感覚だけは“普通”でなくてはいけません。貯蓄はあるみたいですが、それは関係なく。

(それにしても、司ちゃん、カワイイ)

 

『まえせつ!』5、6話

“5”話。ゆるキャン“5”話で出た、山梨のほったらかし温泉がアニメ再登場。

今回は一番、漫才アニメっぽかったですね。前半の山梨観光が、後半で漫才のネタに取り入れられるという、前話の失敗からの挽回にもなっていました。R凸のネタは前半の小ネタを活かしててよかったです。日常アニメではその場その場でツッコミが入りますが(日常の一回性)、敢えてツッコミを保留し、締めの漫才で再演して(ネタ化して)ツッコむというこの構成は、漫才アニメならではで面白いですね。

 

『くまクマ熊ベアー』5、6話

5話。補助金が打ち切りになって困っている孤児院を主人公が救う物語。私がオタクに偏見を持っているからか、孤児院の方が悪になるのだろう(例えば被害者面して騙しているとか)と思っていましたが、素直に領主側の責任で終わりました。孤児院を救おうとする、主人公のまっすぐな優しさが出ていて、驚きました。

6話。子供たちが喧嘩してる親にプレゼントを送る話。5、6話とも、ダンジョン感がなく、RPG世界の中での日常が描かれていました。特に6話では主人公が料理するなど、女性らしさも。夫婦喧嘩というテーマも、素朴で悪くないです(子供の母親をチート能力で治療したみたいに、強引な解決方法ではなかったのも評価できます)

主人公はRPG世界の住人として定着しようとしていますが、「チート」の面白さはゲームをゲームとして扱い、その機構をいじって弄ぶところにあると思うので、ゲームの「モブ」を人間として認め、共に生活することに違和感を覚えます(そのゲームを無茶苦茶にする方がチートの快楽に沿っています)。

くまクマの場合、最初から主人公には特権性があります。チート能力だけでなく、他のキャラは全員人間ではない、NPCなのだという点が主人公の優位性を決定づけます。この状況下で、主人公がNPCを人間のように扱い、ゲームを現実のように捉えること自体、自己欺瞞で不誠実です。転生先で日常を過ごそうとする作品はちらほら目にしますが、特別な力を持った人の日常は、百合日常ものが描く日常とは全然違い、そもそも日常ではないのです(ゲーム内存在と同じような日常を過ごすこともできない)